Nextorageについて
Nextorageは日本発のストレージ専門ブランドで、ソニーグループの会社である「ソニーストレージメディアソリューションズ(現ソニーストレージメディア株式会社)」からフラッシュメモリ製品事業のみが独立した企業です。実はSonyのTOUGHシリーズもNextorageが製造しています。
Nextorage A2 SEをAmazon GWスマイルセールで購入しました(19%OFF)
AmazonのスマイルセールでNextorageのCFexpress Type Aカードがお安くなっていたので、A2 SEというモデルの256GBを2枚購入しました。価格はセールで¥12,980(定価¥15,980)。

SonyやPROGRADEなど他社と比較しても(表1)、NextorageのA2 SEがお求めやすいことがわかります(簡単のため、各社1機種ずつ比較。PROGRADEはA2 SEのような廉価モデルと比較しています)。A2 SEは容量によって「最低継続書き込み速度」が異なる点が注意ポイントです。
CFexpress選びで重要なポイント「最低継続書き込み速度」
「最低継続書き込み速度」は、SDカードでいうビデオスピードクラス(V60やV90など)に近いものと認識いただければOKです。メモリーカードのラベル表示の “XXX MB/s” という速度はあくまで瞬間的に出る最高速度であって、その速度は撮影中に継続しません。例えば「最低継続書き込み速度:400MB/s」と表記されていれば、カードが熱を持っても、バッファがいっぱいになっても、最低でも400MB/sの速度で書き込みが継続できることを意味します(理論上・規格上)。連写で大量のRAW画像を撮影する場面や、8Kや6Kなどの高解像度・高ビットレート動画の撮影時に重要です。
A2 SEの256GBを購入した理由
同じNextorageのA1 SEというモデルが¥19,000程度(容量は480GB)で売っていて悩んだのですが、スペックが異なり、かつ容量単価がA2 SEの方がお手頃だったため、A2 SEを購入しました。480GBが1枚よりも256GBが2枚あったほうが便利でバックアップ用にも安心ですし、私は一度の撮影で480GBも撮影しないですからね。なお、480GBモデルは「最低継続書き込み速度」が850MB/sもあるのですが(256GBは400MB/s)、私はあまり高速連写しないので問題にはなりません。今回私がCFexpressを購入した理由は、高スペックのSDカード(V90)よりも安く、物理的に壊れにくい(後述)ためです。
CFexpressカードはNextorageと台湾のPROGRADEでスペック・価格の激しめの競争が繰り広げられています。双方のメーカーもAmazonの公式ショップでしばしばセールをしますので、タイミングを合わせて購入されるのが良いと思います。
Sony α7RV + A2 SE 256GBで連写性能を実測
本記事ではSonyの高画素機、α7R Vでの連写性能を実測します。
静止画の撮影において、15秒間撮影したときに何コマ記録されるかを実測します。条件を以下に示します。なお、15秒はiPhoneのストップウォッチ機能で測定しているので、±0.5秒程度の誤差があります。
- ボディ:Sony α7R V(ILCE-7RM5、連写性能は最大10コマ/秒)
- レンズ:Sony FE 35mm F1.4 GM (SEL35F14GM)
- フォーカスモード:マニュアル(無限遠で固定)
- ドライブモード:Hi+(10コマ/秒)
- 記録方式:結果(表2)に記載
- 露出:ss 1/8000, F1.4, ISO100
測定結果
測定結果を表2に示します。比較のため、PROGRADE COBALT SDXC V90 256GB(SDカード、最大書き込み速度300MB/s、最大読み出し速度250MB/s)の結果を添えます。

CFexpress Type AであるA2 SEでは、非圧縮RAW使用時以外はバッファ詰まりを起こしませんでした。また、圧縮RAW使用時にはボディの最大スペックである10コマ/秒を引き出せています。しかし、連写性能が最大10コマ/秒という2025年現在では凡庸なスペックのカメラを使用したため、PROGRADEのSDXCでも圧縮RAW使用時に最大スペックで撮影でき、両者に劇的な差は生まれませんでした。α1 IIのように、30コマ/秒で撮影できるボディを使用すれば、結果は大きく変わったかもしれません。なお、SDXCはすべての条件でバッファ詰まりを起こしたため、CFexpressに軍配が上がりました。
CFexpress Type Aに対応したSonyのカメラ一覧(2025年4月現在)

2020年以降(α7SIII以降)に発売されたSonyのα1/ α9/ α7シリーズの多くは、カードスロットがCFexpress Type AとSDカードの両方に対応しています(表3)。

なお、Sony以外のメーカーはCFexpress Type Bを採用しており、Type AはSonyだけです。ただでさえマイナーなCFexpressのなかでも、さらにマイナーな規格です。メモリースティックみたいにならないことを祈ります。また、Type BはType Aの2倍程度は高速です。面積が大きいほうが高速化できるのだそうです。一方で、放熱や電力の観点ではType Aの方が良いそうです。
ちなみに、Type AはSDカードとスロットを共用できますが、Type Bはできません。ユーザーが高価なCFexpressを買わなくても良い選択肢があるのは良いポイントですね。
また、他社はCanon EOS R1やNikon Z9のようなフラッグシップモデルだけがCFexpressのダブルスロットで、EOS R5 mark IIやZ8のようなハイアマチュアモデルはCFexpressのシングルスロット+SDカードのシングルスロットです。
しかし、Sonyはフラッグシップモデルだけではなく、α7Rシリーズやα7SシリーズのようなハイアマチュアモデルでもCFexpress/SDのダブルスロットです。フラッグシップモデルでなくともSDスロットに足を引っ張られることがなく、最高性能を発揮しやすいですね。
外観レビュー

シンプルな箱に入っていました。中には台紙とプラスチックのカードケースが入っており、ケースの中にちょこんと収まっていました。説明書などはありません。捨てるものが少なくて好印象です。カードは5年保証で、外箱の裏側にシリアルとQRコードが印字されています。

SDカード(SDXC)と比較すると、実はCFexpress Type Aの方が一回り小さいことに気づきました。速度が圧倒的にCF-Aの方が速く、SDカードよりは大きいだろうという先入観を持っていたため、驚きました。小さすぎてなくしてしまいそうですね。
SDカードとは異なり、書き込み防止のロックは付いていません。ロック機能は正直いらないと思っていたので、無くて良かったです。
また、SonyのTOUGHは挿入方向を示す三角マークが表面に印刷されていましたが、A2 SEは印刷がなく、少々不親切だと感じます。挿入するときに少し迷いました。

裏面を比較します。CF-Aには放熱用の板金が貼り付けてあり、板金にシリアルが印字されています。ProGradeと同様、安心の台湾製、Made in Taiwanです。
また、接点のところに樹脂のリブがなく、物理的にも壊れにくい構造になっています。SandiskのExtreme Proの樹脂のリブが剥がれてきて壊れた経験があるので、ありがたいです。

カメラの近くに置くと、よりCF-Aの小ささが際立ちます。
カードリーダーが無くてもなんとかなります

CFexpressカードはパソコンのSDカードスロットに入らないので、専用のカードスロットが必要です(XQDカードリーダーも使えません)。しかし、私は旅先でデータを取り込むことが多く、カードリーダーは荷物になる上に紛失するリスクもあります。そこで、カメラ本体とPCをUSB-Cケーブルで接続し、「画像転送(MSC)」で転送しています。
カードリーダーを使用するよりも転送速度は落ちますが、私の使用環境を考えるとこの運用がベターだと考えています。お金もかかりませんし、USB-Cのケーブルは紛失してもどこでも手に入ります。

無事に転送できました。
まとめ
はじめてのCFexpress Type A、SDカードとは別次元の速さに感動しました。最近ハマっている野鳥撮影など、連写が必要なシチュエーションでとても有用だと思います。
また、Sony α7RVにはCFexpress、Leica Q3にはSDカードという風にカードを完全に分けることができるので、Leicaに入れたと思っていたカードが実はSonyに入っていたことに出先で気づき、カード無し、、、という事故を防ぐことができそうです。