【イタリア旅行記】カトリックの巡礼地・アッシジを撮り歩く!(地中海4800kmの旅 vol.3)

この日はローマから北に130km、カトリックの巡礼地・アッシジに向かいます。アッシジへはローマ・テルミニ駅からTrenitaliaの普通列車(Ordinaria)で約2時間で行くことができます。アッシジはイタリア中部のスバジオ山中腹の東西に広がる小さな町です。スバジオ山周辺で採掘される淡いコーラルピンクの石材でつくられた建物が町を彩り、中世の雰囲気がそのまま残っています。

アッシジは中世イタリアにおける最も著名な聖人のひとり、フランチェスコ(アッシジのフランチェスコ)の生誕の地で、全世界のカトリック教徒の巡礼の地です。巡礼地、教会がメインの町ですので、治安はとても良いと感じました。

この記事の写真はSONY α7 IV(ILCE-7M4)とSONY FE 24-105mm F4 G OSS(SEL24105G)の組み合わせで撮影しています。

目次

エスプレッソを飲んで、アッシジへ

慌ただしいバールでエスプレッソとブリオッシュを頂いて、アッシジへ向かいましょう。アッシジへは、ローマ・テルミニ駅から。

発車番線がすごい遠くて、余裕を持って来たつもりなのにギリギリになりました…!京都駅で新幹線から山陰線に乗り換えるくらいの距離感でした。08:02発Perugia(ペルージャ)行きに乗って、約2時間の列車旅です。

途中の駅で車両故障が発生し、列車を交換しました。しかし遅延は10分ほどです。イタリア国鉄が民営化してTrenitalia(トレニタリア)になってからは、列車の遅延はかなり減ったようです。実際この旅でたくさん鉄道を利用しましたが、トレニタリアよりも横須賀線の方がよく遅れると思いました笑。

アッシジ駅から旧市街へ

アッシジの駅から旧市街は約2km離れています。ほとんどの方はバスを利用していましたが、私は道中を楽しみたかったので徒歩で行きました!

牧歌的な風景が飛び込んできます。歩いてきて本当に良かったです。凄まじい暑さですが笑(気温39℃)。

旧市街へは坂を登る必要があります。街がスパジオ山の中腹にあるだけあって、なかなかの激坂です。

旧市街の入り口に着きました。こういう入り口感が強いところ、すごく好きです。

アッシジ旧市街を歩く

入り口から坂と階段を登るといよいよ旧市街の中へ。道にゴミが落ちておらず、建物も超キレイ!大好きな世界ふれあい街歩きを思わせる光景が飛び込んできます。歩いているだけでとっても楽しいです!

坂が多い町はついつい縦構図で撮ってしまいますね。

世界遺産、サン・フランチェスコ聖堂

細長いアッシジの町の、西側の斜面に建つ「サン・フランチェスコ聖堂」。1182年にアッシジで誕生し、1226年にアッシジで没した聖フランチェスコを祀る聖堂です。聖フランチェスコを祀る教会は世界中に存在していますが、その総本山といえる聖堂です!

聖フランチェスコは、死後僅か2年未満という異例の速さで教皇グレゴリウス9世によって列聖されました。1228年、列聖の翌日に教皇本人の手で基礎石が置かれ、サン・フランチェスコ聖堂の建築が始まりました。聖堂は1253年に完成し、その後幾度となく改装されています。

アッシジの町の斜面を有効活用するため、建物は上堂と下堂との2つに分かれています。上堂部分はゴシック様式、下堂の部分はロマネスク様式と異なっています。

聖堂内部はフレスコ画で覆われており圧巻です。このフレスコ画「聖フランチェスコの生涯」は28面あり、1297年から1300年にかけてジョットらが制作したとされます。このフレスコ画で特に有名なのが、15面の「小鳥への説教」です。外気に触れる部分にあるため損傷が激しく、かなりの鳥の顔料が剥離していました。

フレスコ画のフロアから1階降りるとクリプタ(地下祭室)があり、聖フランチェスコの石棺が安置されています。クリプタのランプを灯すオイルは、毎年10月4日にイタリア20州が交代で奉納します(聖フランチェスコはイタリアの国の守護聖人)。

聖堂内は撮影禁止なので、気になる方は実際に行かれるか、公式サイトをご覧になってください。

お土産コーナーからの眺めがとても良かったです。

聖堂内を一通り見学し、上堂から出てきました!青空と芝に挟まれると、石材がコーラルピンク色をしているのが際立ちますね!

アッシジの昼ごはん

サン・フランチェスコ聖堂から東に300mほど進んだところにある、”Bar Sensi”で軽いお昼ごはんを頂きました。暑い日はたくさん食べられないんですよね…

陽気な店主が作ってくれたカプチーノと、小さめのマルゲリータを頂きました。とても美味しい!食事中、店主の職人技をずっと見ていました。あんなに上手にカプチーノが作れるようになりたい…!

町の東側へ行ってみよう

地図を見ないで階段を登ったり降りたり、素敵な広場に出会ったりしながら町の東端を目指します。この広場の名前は”Piazza del Comune”。

サン・フランチェスコ聖堂と似たゴシック様式の建物があります。こちらはサン・ルフィーノ大聖堂といって、アッシジで最も古い聖堂です。なので、似ているのはサン・フランチェスコ聖堂の方ですね。実はこのサン・ルフィーノ大聖堂がアッシジのドゥオーモ(町を代表する教会)です!イタリアの守護聖人はアッシジの聖フランチェスコですが、「アッシジの町」の守護聖人は聖ルフィーノなのです。

勉強不足で、当時はこの聖堂に入らずスルーしてしまいました…後悔。

今度は上に登ってみよう

地元の人、巡礼の人、観光の人、色々な人がこの小さな町を歩いています。アッシジのパワーを感じます。

町歩きが楽しくて行ったり来たり。しかしこの街は本当に綺麗です。おまけにいい匂いがします。石と緑が混ざりあった香りです。

ここは1316年に建造された要塞ロッカ・マッジョーレ。ランゴバルド人やマインツ大司教など様々な体制の支配下に置かれ、そのたびに改築されてきた歴史がありますが、当初から要塞として機能したといわれています。要塞の前の丘からはアッシジの町と、ペルージャの大地を見渡すことができます。改修工事中で中には入れませんでした。 

要塞の前から臨むアッシジの町!本当に素晴らしい眺めで、来てよかったと心から思いました!左手に見えるのがサン・ルフィーノ大聖堂、右手はサンタ・キアラ聖堂です。

サンタ・キアラ大聖堂

もう1人のフランチェスコと呼ばれる聖キアラを奉る、サンタ・キアラ大聖堂に来てみました。ホワイトとコーラルピンクの美しい教会です。

教会の地下には、800年前にキアラが作った洋服が展示されていました。あまりにも厳かな雰囲気で写真は撮りませんでしたが、過去と今はひと繋がりであることを実感できる、素敵な空間でした。同時に、敬虔なカトリックの信者が集まる空気に圧倒されてしまいました。日本にいると宗教を感じづらいですから、貴重な体験になりました。

ローマに帰ります

明るいけれどもう17:30を回っています。ローマに戻る普通列車は18:13発。余裕をもってアッシジの駅へ向かいます。

夕陽に照らされはじめたアッシジの町。名残惜しいですが、歩かなければ。

ローマ・テルミニ行きの列車に乗ります。

車窓から見えた牧草ロール。美瑛の丘のような風景が続く車窓を眺めて、ローマへ帰ります。

次回はイタリアを出て、マルタ共和国へ

次の目的地は地中海に浮かぶ小さな国、マルタ共和国です。首都のヴァレッタから、リゾートのゴゾ島、コミノ島を巡ります!

それではおやすみなさい。

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この記事を書いた人

東京都在住のエンジニア。1998年生まれ、25歳です。カメラを片手に20カ国を旅してきました。遠い地の生活を垣間見ることが私の旅のテーマです。

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