今回の記事をざっくり紹介!
前回の記事です。

クロアチアの小さな港町・ロヴィニからバスで首都・ザグレブに到着。街の歴史や名所を巡りながら、伝統料理を堪能しました。
世界一短い交通機関と称されるザグレブのケーブルカー「ウスピニャチャ」や旧市街の中心部「イェラチッチ広場」「聖マルコ教会」「ザグレブ大聖堂」などの見どころを散策し、ザグレブの魅力を満喫しました。
また、クロアチア名物も堪能できました。チーズの濃厚な風味が特徴のクロアチア郷土料理「シュトゥルクリ」を専門店”La Štruk”で味わい、老舗カフェ”Vincek”で名物スイーツ・クレムシュニテを楽しみました。
ザグレブ到着!バスターミナルから旧市街へ

ロヴィニからバスに揺られること約3時間半、クロアチアの首都・Zagreb(ザグレブ)に到着しました。首都とはいえ、地中海沿岸の観光都市と比べるとやや落ち着いた雰囲気です。


バスターミナル(Autobusni Kolodvor)からメインの観光スポットであるイェラチッチ広場(Trg bana Josipa Jelačića)までは徒歩30分ほど。私はターミナルとイェラチッチ広場の中間地点に宿を取っていたので歩いて行きましたが、大きな荷物を持って歩くのは少し大変なので、便利な移動手段としてトラム(路面電車)を利用することをおすすめします。⑥番線のトラムに乗れば、イェラチッチ広場まで一直線です。

途中、黄色い建物が目を引きます。これはアートパビリオン(Umjetnički paviljon u Zagrebu)というギャラリーで、ザグレブ中央駅に隣接するキング・トミスラフ広場にあります。ザグレブの芸術文化を感じられるスポットのひとつです。


この立派な建築はザグレブ中央駅。オーストリア=ハンガリー帝国時代の1890年より着工され、1892年に公式に開業した、クロアチア最大の鉄道駅です。

クロアチア国内の鉄道(長距離列車)はお世辞にも便利とは言えず、国内の都市間移動は基本的に高速バスか飛行機を利用することになるでしょう。クロアチア鉄道の主要幹線の多くは単線・非電化であり、さらに山がちな国土ゆえに急勾配、急曲線が多く、列車の速度が遅いのです。
イェラチッチ広場と周辺散策


宿泊先である”Zagreb Speeka Hostel”にチェックインした後、さっそく街歩きへ。


ザグレブはオーストリア=ハンガリー帝国時代の建築だけでなく、近代的なガラス張りのビルも同居してる市街地になっていました。中世と近代が調和する都市ですね。

宿のすぐ東側にはズリニェヴァツ公園が広がっています。ここは市民の憩いの場になっており、ザグレブ中央駅の北側からイェラチッチ広場の南側まで、南北に広がっています。札幌の大通公園に近いイメージです。



緑豊かでベンチも多く、のんびり過ごすにはぴったりの場所です。ただ、樹木が多くて暗く見通しも悪いので、当たり前かもですが暗くなったら行かないほうがいいです。

公園を北へ抜け、トラムの線路が東西に交差する場所まで来ると、人通りが増えてきます。ここまで来るとイェラチッチ広場はすぐそこです。


ついにイェラチッチ広場に到着!オーストリア=ハンガリー帝国時代の威厳を感じさせる壮大な広場です。広場の中心には、クロアチアの民族運動の英雄であるバン・イェラチッチの騎馬像が立っています。


広場の向こうにはザグレブ大聖堂が見えます。1094年に建設が始まったクロアチア最大のゴシック建築で、何度も火災や地震の被害を受けながらも修復され、現在の姿になったのは1880年以降のことです。


首都・ザグレブ市の人口は79万人で、都市圏は120万人程度だそうです。日本だと岡山の都市圏に近いでしょうか。欧州では人口30万人もいればかなりの大都市になりますが、ここザグレブは人通りは程よく、人口の割に落ち着いた街である印象です。
ザグレブのトラムと目抜き通り



ザグレブのトラムは小田急線みたいな色をしています。低床の新型車両から昔ながらの旧型車両まで、同じカラーリングで統一されています。イェラチッチ広場から東西に大通りが伸びていますが、西側の通りのほうが栄えている印象でした。

世界で最も短い交通機関、ケーブルカーの「ウスピニャチャ」

ザグレブには「世界で最も短い交通機関」とされるケーブルカー「ウスピニャチャ」があります。全長わずか66m、乗車時間は片道30秒。これが意外と地元の人たちに重宝されており、ベビーカーを押す親子や年配の方々が利用しているのを見かけました。ザグレブ市民の足として今でも現役で活躍していることを実感します。

10分間隔で運行されるケーブルカー、乗車料金はわずか4クーナ(約70円)です。切符はケーブルカーの駅構内で駅員さんから現金で購入しました。
このケーブルカーは1890年に開業し、当初は蒸気動力で運行されていました。ちなみに、当時のザグレブのトラムは馬が引いていたそうです。


ケーブルカーを降りると、ザグレブ旧市街を見下ろすことができます。そこまで標高が高くないので、一望!というわけには行きませんが、十分綺麗な眺めです。

なお、ケーブルカーの駅には「ロトルシュチャク塔」が隣接しており、その塔に登ればザグレブの街を一望できると思います。
ザグレブのシンボル・聖マルコ教会

ケーブルカーを降りて北にまっすぐ進むと現れるのは、屋根の瓦がかわいい聖マルコ教会。この教会は13世紀なかばに建設されましたが、現在の姿は19世紀末にヘルマン・ボレーによってネオ・ゴシック様式により修復されたものです。この特徴的な屋根瓦は19世紀末の修復時に造られたそうです。

屋根の瓦ですが、向かって左がクロアチア王国、ダルマチア地方、およびスラヴォニア地方を表す紋章で、右側はザグレブの紋章です。ちなみに、ダルマチア地方はアドリア海沿岸・クロアチア南部のことで、101匹わんちゃんで有名なダルメシアンの原産地です。有名な都市はSplit(スプリト)やDubrovnik(ドゥブロヴニク)があります。
もうひとつのランドマーク・ザグレブ大聖堂へ

聖マルコ教会から東に進むと、「石の門(Kamenita vrata)」があります。この「石の門」は数百年に渡ってザグレブの民の暮らしを見守り続けてきたそうです。現在の石の門は18世紀ごろに造られたものですが、石の門自体は中世の時代には既に存在していた記録があります。
石の門の中には聖母マリアが祀られた小さな礼拝堂があり、ザグレブ市民が祈りを捧げに足を運びます。ザグレブの人々にとってここは観光地ではなく、神聖なお祈りの場。迷惑がかからないように遠くから撮影しました。



石の門から南西に進むと、賑やかな通りに出ます。ここはトゥカルチチェヴァ通り(Tkalčićeva Street)。両側にびっしりとレストランが並んでいる通りです。夜ご飯探しに困ったら、まずはここに行くとよい気がします。

トゥカルチチェヴァ通りからさらに東に進むとドラツ市場に出ます。ここは「クロアチアの胃袋」とも呼ばれ、各地方の食べ物が一同に集まる場所として、また、広場いっぱいに花が咲くように開く市場の赤いパラソルが有名な場所です。この日は既に晩御飯の時間なので、市場は営業していませんでした。
なお、ザグレブ大聖堂は2020年に発生した地震の影響で改修工事中で、2022年当時は拝観できませんでした。したがって、ファサードを眺めるのみとなります。このドラツ市場がもっとも綺麗にザグレブ大聖堂を拝める気がしますね。
ザグレブ名物!シュトゥルクリを味わう

ザブレグ初日の夕食は、クロアチアの伝統料理「シュトゥルクリ(štrukli)」を食べることにしました。シュトゥルクリはパスタ生地を薄く伸ばし、フレッシュチーズや卵を巻いて焼き上げる料理で、ラザニアに似ていますが、さらに濃厚なチーズの風味が特徴です。

訪れたのはザグレブで話題のシュトゥルクリ専門店“La Štruk”。ここではシュトゥルクリのみを提供しており、シンプルなものからトリュフ入りまで多彩なバリエーションが揃っています。ザグレブ市民の間では、シュトゥルクリを食べるならここが一番!という人も多いそうです。

私は「トリュフ・シュトゥルクリ」(49クーナ)を注文しました。チーズとトリュフの香りが絶妙に絡み合い、一口食べるたびに幸せな気持ちになりました。
シュトゥルクリの歴史は古く、もともとはクロアチア北部の農村で生まれた家庭料理でした。長い冬を乗り越えるための保存食として作られ、やがて都市部にも広まり、ザグレブの郷土料理として定着しました。現在ではオーブンで焼く“pečeni štrukli”と、茹でる“kuhani štrukli”の2種類があり(読み方がわからないので、そのまま書きます)、それぞれ異なる食感を楽しめます。
オーストリア、ハンガリー、トルコ、イタリア、セルビア、ボスニアなど様々な周辺諸国の影響を受け、つい最近までユーゴスラビアだったクロアチア。そのため、クロアチアの伝統料料理を一言で説明するのは困難と言われています。このような状況で、正真正銘「クロアチア料理」と断言できる数少ない伝統料理がシュトゥルクリです。ユネスコの無形文化財にも登録されているほどの伝統料理です。

一緒に頼んだアイスコーヒー(16クーナ)はミルク入りで、アイスカフェラテやエスプレッソ・マキアートに近い飲み物でした。カフェ文化が強いクロアチア、いわゆるドリップコーヒー(フィルターコーヒー)はほとんどなく、コーヒーといえばエスプレッソです。なお、ストローは紙製でした。
クロアチア名物スイーツ「クレムシュニテ」

食後のデザートは、ザグレブで人気のスイーツ「kremšnita(クレムシュニテ)」にしました。これはふわふわのカスタードクリームをパイ生地で挟んだスイーツで、ザグレブから西に30km程度の場所にある近郊の街「Samobor(サモボル)」発祥の名物です。サモボルはザグレブから日帰りも可能で、伝統的なクロアチアを感じられる街として人気があるそうです。

私は、ザグレブでクレムシュニテを食べるならここが一番!という評判の「Vincek(ヴィンツェク)」へ向かいました。ここは本来ケーキやジェラートの販売店のようですが、店内にはイートインスペースもありました。

クレムシュニテは、上部のパイ生地がサクッとしていて、その下にたっぷりのカスタードクリームと生クリームが層になっているスイーツです。ザグレブでは最上部にチョコレートが乗っているのが特徴のようで、ホイップクリーム、カスタードクリーム、パイ生地という構成でした。甘さは控えめで、ふわふわとした口当たりが最高です。
クレムシュニテはかなりボリューミーなので、コーヒーと一緒に食べるのがベストだと思います。私はコーヒーがないと厳しかったタイプの人間でした。
実は、クレムシュニテには地域ごとにバリエーションがあるそうです。サモボルのものは軽めでエアリーな食感が特徴で、ヴァラジュディン地方のものはよりリッチで濃厚らしいです。クロアチア国内だけでなく、ハンガリーやスロベニアでも似たスイーツが存在します。各地のクレムシュニテ巡りをするのも面白そうです!
夜のザグレブを歩いて宿に帰る




ザグレブの旧市街はかなりコンパクトなので、基本的に歩いて回り切ることができます。小田急色のトラムが静かにトコトコと走っており、街の人々もそれなりに陽気だけれど割と静かです。スロベニアの首都・リュブリャナと同じくらい、穏やかな首都だな、と感じました。また、街には多くのアートギャラリーがあり、クロアチアの文化の中心であることを感じました。
翌日はプリトヴィツェ湖群国立公園を観光する予定だったので、軽いトレッキングに備えて早々に眠りにつきました。
ザグレブ二日目の夜ご飯



この日は早朝からプリトヴィツェ湖群国立公園を観光し、夕方にザグレブに帰ってきました。 ザグレブ最後の晩餐は、レストランの“Nokturno”でいただきました。ここは昨日に行ったシュトゥルクリ専門店“La Štruk”と通りを挟んだ向かいにあり、気になっていたお店でした。


昨日は内陸料理のシュトゥルクリを食べたので、この日はアドリア海の料理・シーフードパスタにしました(56クーナ)。内陸のザグレブですが、なんだかさっぱりとしたものが食べたくなり海鮮をチョイスし、これが正解!産地ではないのにとても美味しかったです!クロアチアの食文化の多様性を感じられてよかった気がしました。
次回は絶景のプリトヴィツェ湖群国立公園です
ザグレブは首都でありながら、どこか落ち着いた雰囲気が漂う魅力的な街でした。名物のシュトゥルクリやクレムシュニテを堪能し、歴史ある街並みを歩くことで、クロアチアの文化を存分に味わうことができました。
次回は、幻想的な湖と滝が広がるプリトヴィツェ湖群国立公園を撮り歩きます!