【イタリア旅行記】絵画の中に入ったような島、ヴェネツィア・ブラーノ島を歩く(地中海4800kmの旅 vol.16)

ヴェネツィア・サンタ・ルチアからおはようございます。この日は世界最古のカフェ、”Caffè Florian(カフェ・フローリアン)”で朝を過ごした後、カラフルな街並みが有名なBurano(ブラーノ島)を訪れました。ヴェネツィア後編、始まります!

—前回の記事—

目次

世界最古のカフェでヴェネツィアの朝を過ごす

昨日はヴェネツィアの街をたっぷり散策しましたが、今朝は少し特別な場所からスタートしました。それが、サン・マルコ広場にあるカフェ・フローリアン

ここは1720年12月29日創業、なんと世界最古のカフェ、と言われています。

内装はまるで美術館のように豪華で、壁には歴史的な絵画や装飾が施されています。300年以上にわたる歴史を感じます。

ここで注文したのは、カフェ・ラッテ(€5.5)。実はこのお店がカフェ・ラッテ発祥の地とも言われています。値段は正直お高めですが、歴史ある空間で味わう一杯は格別です。

カフェの中には、かつて訪れた著名人たちの写真やエピソードが飾られており、歴史の重みを感じることができます。優雅な音楽が静かに流れ、観光客と地元の人々がゆったりと朝のひとときを楽しんでいる光景は素晴らしかったです。

イタリアのバール(カフェ)全般に言えることですが、お席に座って食べるときと、立って食べるときで値段が異なります。ここカフェ・フローリアンは座るとかなり高額になる、と聞いたことがあります。

朝のサン・マルコは今日も静かな時間が流れています。

ヴァポレットに揺られてブラーノ島へ

カフェ・フローリアンで優雅な朝を過ごした後、ヴァポレット(ヴェネツィアの水上バス)に乗って約40分。目的地はカラフルな街並みで知られるブラーノ島です。

ブラーノ島へは、ヴェネツィア本島のファンダメンタ・ヌオーヴェから出発するヴァポレット(12番系統)でアクセスできます。所要時間は約40〜45分、途中でムラーノ島やマッツォルボ島にも立ち寄るルートです。こんな長距離路線でも、Rolling Venice Card(ローリングヴェニスカード)が使用できます。乗り放題パスで行けるなんて、行かない手はありませんね。
混雑を避けたい場合は、朝早めの時間帯が狙い目です。

ヴァポレットから見える風景は、ヴェネツィア本島とはまた違った魅力があり、海風が心地よく旅気分を盛り上げてくれました。船上では、潮の香りが漂い、遠くに見える小さな島々がまるで水彩画のように美しく広がっていました。陽射しが水面に反射してキラキラと輝き、心が自然と軽やかになります。あまりに気持ちよくて、写真を撮らずに見入っていました。

到着すると、モダンな停留所と整備された公園が出迎えてくれます。あれ、カラフルな街はどこだ、と観光客の流れに従って歩いていきます。

路地を曲がると、目の前に広がるのは鮮やかな色で塗られた家々。赤、青、黄色、ピンク…とにかくカラフルで、まるで絵画の中に迷い込んだかのような景色が広がっていました。

石畳の道を歩くと、カラフルな家々が水路沿いに立ち並び、窓辺には色とりどりの花が咲き誇っていました。

カラフルな街並みの秘密

このカラフルな家々には面白い歴史があります。ブラーノ島は元々漁師の町として栄えていました。しかし、冬になるとこの周辺の海は濃い霧に包まれることが多く、漁師たちは自分の家を見つけるのが困難でした。

そこで考え出されたのが、家を目立つ色で塗るというアイデア。これなら遠くからでも一目で自分の家がわかります。この実用的な工夫がやがて島全体に広まり、現在のような色鮮やかな街並みが生まれたのです。飾るお花の色まで揃えているご家庭もあり、一軒一軒に美学を感じます。

ワンちゃんの色と家の色を合わせている、最高なご家庭がありました。

ここはテーマパークではありません。町の息遣いを感じることができます。

家の色が石畳に反射して、全てが鮮やかになっていました。

ブラーノ島で興味深いのは、家の色を変更する際は市役所に申請が必要で、伝統と景観を守るためのルールがしっかりと定められていること。これがブラーノ島の美しい統一感を保つ秘訣なのです。

ブラーノ島といえば、もうひとつの名物がレース編みです。元々は漁師が使う網を作る技術から発展したもので、今では繊細で美しいレース製品が島の特産品として知られています。愛らしい街並みに美しい特産品。完璧な島です。

ブラーノ島は小さいので、隅々まで散策することができました。

美しい島は、猫ちゃんも美しかったです。

再びヴェネツィア本島へ

ブラーノ島を後にして、ヴェネツィア本島へ戻りました。本日も暑いので、例に漏れずお腹が空きません。何度も行っている”Bottega del Caffè Dersut”ではなく、通りがかりのバールで軽食を取ることにしました。

これは完全に選択ミスでした。エスプレッソにはコクがなく、ブリオッシュはパサパサしていました。東京なら美味しい部類に入る気がしますが、エスプレッソとブリオッシュに関してはお気に入りができてしまって舌が肥え気味だったので、このような感想になりました。ちなみに値段も”Bottega del Caffè Dersut”より高く、ブリオッシュだけで€2.5でした。

お口直しに(贅沢)、立ち寄ったのはジェラート屋さん。注文したのはチョコレートのジェラート(€2.0)。本当に美味しかったです…!冷たいジェラートが火照った体を癒してくれて、再び元気を取り戻します。イタリアのジェラートはどこで食べても美味しいですが、ヴェネツィアの景色と一緒に味わうと格別です。

夕暮れのサン・マルコ広場とリアルト橋

日が傾いてくると、空が広いカナル・グランデの美しさが際立ってきます。

日没まで時間があったので、アカデミア橋のたもとからヴァポレットに揺られ、しばしの遊覧観光を楽しみました。海から眺めるサン・マルコ広場も美しいです。サンタ・ルチア駅で初めてヴェネツィアと出会うのも素敵でしたが、サン・マルコでヴェネツィアと出会うルートもたどってみたかったですね。一度訪れてしまうと、もう二度と初めてはやってきません。

ヴェネツィア最後の夕方はどこで過ごそうか、と悩んだ末に、サン・マルコとリアルトの両方を巡ることを決意。日没時間から逆算して、ヴァポレットに揺られながら街歩きの戦略を練っていました。

ヴァポレットから下船し、サン・マルコ広場に戻ってきました。夏のイタリアの長い昼が終わろうとしていて、ラグーンの象徴である杭を照らしていました。

夕日に染まる広場は、朝とはまた違った表情を見せてくれます。建物の壁がオレンジ色に輝き、刹那的な絶景を見せてくれています。

ヴェネツィア共和国の栄華を感じられる、まさしく世界一の広場。共和国の末期はカーニバルに興じるだけだった没落国家、という話も破滅的で、美しさすら感じます。

欧州の人々はサンセットへのモチベーションが高いので、この時間になると沈んでゆく太陽を拝めるスポットへ移動していきます。

リアルト橋に向かう途中、”Crazy Pizza”でマルゲリータを食べました。軽食のつもりで食べましたが、思ったよりも大きくて、これがヴェネツィア最後の晩餐になりました笑。ちなみに、手のひらよりも大きいピッツァで€2.3でした。激安です。

リアルト橋に到着し、マジックアワーの美しい風景をカメラに収めました。川面に映る光、行き交うゴンドラ、そして少しずつ夜の帳が降りていく瞬間は、言葉では表せないほど幻想的です。リアルト橋の上から眺める夜景は一生の思い出となりました。

夜のヴェネツィアを歩く

日が沈んでも、ヴェネツィアの美しさは続きます。この時間になると(21:30すぎ)、リアルト橋のアーケードは一日を終えようとしていました。

ヴェネツィアの夜は実際には結構暗いのですが、とても華やかで煌めいていた夜でした。行き交う人々が幸せそうです。

静かな運河沿いを歩きながら、ゴンドラの水音や遠くで響くヴァイオリンの音色が心地よく耳に届きました。迷路のような路地をあえて迷いながら進むと、ふとした瞬間に小さな橋や可愛らしい広場に出会えるのもヴェネツィアの魅力です。

明日、ヴェネツィアを離れなくてはならないことががとても名残惜しい夜でした。後ろ髪をひかれながら本島を離れ、メストレの宿に帰りました。

朝焼けのサン・マルコ広場

翌朝、相当早起きしてサン・マルコ広場へ向かいました。人がほとんどいない広場に、柔らかな朝焼けが広がっていた光景はまるで夢の中のようで、忘れられない瞬間となりました。

リアルトを経由してサンタ・ルチア駅へ向かいました。ランニングをする人、あくびをする猫ちゃん、ゴンドラを点検するゴンドリエ。穏やかで美しい時間です。

リアルト橋から朝焼けのカナル・グランデを眺めます。まだ、次の目的地へ向かう列車の時刻を気にしなくて良い時間帯、ゆっくりと風景を楽しみました。

ヴェネツィアの鐘楼の多くは地盤沈下で斜めになっています。ちなみに、美術評論家の木島俊介が「イタリア第一」と評した斜塔はブラーノ島にあるサン・マルティーノ教会の鐘塔です。

ヴェネツィア最後のブリオッシュはやっぱりここ、”Bottega del Caffè Dersut”。いや〜美味しい!宝くじが当たったら仕事をやめて、アルバイトしに行きたいですね。

ヴェネツィア最後のカッフェ(エスプレッソ)は“Pasticceria Rio Marin”。Google Mapで調べたら、ここはティラミスが評判のパティスリーのようでした。朝からドルチェはどうか?と思いましたが、先ほど朝ごはんを食べて「食後」なのでセーフ。

ショーケースにはなかったので、恐る恐る注文してみたら、爽やかな笑顔と共にティラミスを出してくださいました。濃厚なティラミスと苦味の効いたエスプレッソの組み合わせが、旅の締めくくりにぴったりでした。なお、エスプレッソとティラミス合わせて€3.2です。最高!

さらば、ヴェネツィア。次の目的地、スロベニアを目指します

サンタ・ルチア駅の少し前、最後のカナル・グランデの風景をぼんやり眺めて過ごしました。名残惜しさで、ただ静かに時が過ぎるのを感じるだけの10分間。それでも、この街で過ごした時間は心の中でずっと輝き続けるでしょう。

次の目的地は、スロベニアとの国境の街、ゴリツィア。列車はヴェネツィア・サンタ・ルチアを離れ東へ。再び新しい旅が始まります。それではまた!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

横浜市在住のエンジニア。1998年生まれ、26歳です。カメラを片手に25カ国を旅してきました。遠い地の生活を垣間見ることが私の旅のテーマです。

目次