海外旅行ではどんな「物価の高さ」が旅の満足度に影響するのか考えてみた

目次

はじめに

海外旅行において、渡航先の物価の高さは旅の満足度に大きく関わります。しかしながら、海外旅行中における「物価が高い」は、普通に生活するなかで感じる「物価が高い」とは違う気がしますよね。ちなみに、物価とは「財(モノ)やサービスの価格を総体的に捉えたもの」です。

私は、海外旅行における「物価が高い」には、以下の3つの側面があると考えています。

  1. 宿泊費(ホテル代)が高い
  2. 交通費(鉄道、バス、タクシー)が高い
  3. 外食費(レストラン、カフェ)が高い

さて、これら3つの側面のうち、旅の満足度に最も影響するものは一体どれでしょうか?
私は 3. 外食費が高い だと考えています。

なお、本記事では最大10日間程度の旅行日数で、都市部のホテルに宿泊し、レストランやカフェで食事を摂るような多くの人々が思い描くような海外旅行を想定しています。2週間以上の長期滞在、安宿、スーパーの食材で自炊といったバックパッカー的な旅のスタイルは考慮しておりません。また、ツアーで決められたレストランで食事を摂ることも想定していません。

どうして外食費の高さが旅の満足度に影響しやすいの?

私は、以下の2つの理由があると考えます。

  1. 旅行中に支払いが即時発生する
  2. 選択肢が多く比較ができるため、お店選び失敗時の精神的ダメージが大きい

ひとつずつ解説していきます。

1. 旅行中に支払いが即時発生する

レストランやカフェではお食事が終わったら、あるいはお食事が開始する前に代金をお支払いしますよね。もし外食費が高いと、「美味しかった!」という感想と同時に、「うわ…思ったよりも高かったな」「このペースで食費が出ていくのか」といった若干ネガティブな感情が旅行中に湧いてきます。外食費が高い国や都市において、外食が安い日本出身の私たちはお金のことを考えながら食事をすることになるでしょう。

一方で、宿泊費は旅行前に支払いを済ませる方が多いかと思います。チェックイン時に支払うにしても、既にお値段を把握し、納得した状態でお支払いしますよね。確かに、ホテルを予約するときは「高!」と思いながら予約することもあるでしょう。
 しかしながら、ひとたびホテルに入ってしまえば、部屋の様子を確認したり、街歩きの計画を整えたり、あるいはゆっくり休んだりしますから、ホテルの値段のことなんて忘れてしまいます。それよりも、慣れない土地を歩いて無事に部屋に入れた安堵感、これから旅が始まる高揚感といったポジティブな感情が湧いてきます。

交通費も即時支払いが発生するイベントですが、旅行中に交通費への不満は生じにくいと考えられます。この点については次の項目で述べます。

2. 選択肢が多く比較ができるので、お店選び失敗時の精神的ダメージが大きい

Google Mapで「レストラン」と検索すると、都市部では無数のレストランが出てきますよね。すると、お料理の内容、価格、サービスを候補の中で比較し、選択することになります。しかし、外食費が高い国や都市でお店選びに失敗するとどうでしょうか。「高かったのにイマイチだった」という感想が出てきます。
 さらに、「食事」という特性上やり直しが困難です。「今日の昼食」「今日の夕食」はもう二度とやってきませんし、イマイチだったとしてもある程度食べていますから、二度目の昼食あるいは夕食は厳しいでしょう。また選択肢が多いため、お店選びに失敗した直後に良さそうなお店を発見してしまいます。すると「うわ…あのお店にすればよかった」という気持ちになります。

一方で、渡航先の「交通費が高い」は海外旅行の満足度には影響しにくいと考えています。理由は「選択肢が少ない」からです。海外の多くの都市では、目的地に対する交通機関の選択肢は少ないです。東京のように、同じ目的地に対して鉄道やバスが複数路線存在する都市はほぼ存在しません。バスと鉄道が1路線ずつあればかなり良い方で、ほとんどの場合はバスか鉄道のどちらか一方しかありません。
 では、交通費が高いから歩いて行くでしょうか?地下鉄や路面電車の1駅2駅分なら歩けますが、それ以上の距離は利用せざるを得ません。また、空港から市街地までは高くても必ず鉄道、バスやタクシーで移動しますよね。このように、交通費は高くても選択肢が少ないから利用せざるを得ませんし、安全と時間を購入しているので納得感のある買い物となります。したがって、旅行中に交通費が高いことへの不満は生じにくいと考えられます。帰宅して精算するときにギョッとすることに目を瞑れば。

レストランと同様、ホテルも選択肢が多いです。しかし、ホテルを比較して選択するのは旅行前です。旅行中にホテルを見かけても、外観しかチェックできませんよね。通りがかりのホテルの値段を調べたり、設備やアメニティを調べたりする方はほとんどいないと思います。「隣の芝は青い」とよく言いますが、旅行中のホテルについては「隣の芝が見えない」状態です。したがって、旅行中に「あのホテルにすれば良かった…」という不満は生じにくいと考えられます。

まとめ

上記2点の理由から、海外旅行の物価のうち「外食費が高い」という側面が旅の満足度に影響しやすいと考えています。もちろん、食事に重きを置いていない方は異なる意見を抱かれると思います。これまでツアーを使わずに20カ国を旅してきた人間の意見として、ほんの少しでも参考になれば幸いです。

皆様の旅が充実し、最高の思い出になることを心より願っています!

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この記事を書いた人

東京都在住のエンジニア。1998年生まれ、25歳です。カメラを片手に20カ国を旅してきました。遠い地の生活を垣間見ることが私の旅のテーマです。

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